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【新常識】20%以上の減量も夢じゃない?チルゼパチド(ゼップバウンド/マンジャロ)が変える肥満治療の未来

医師コラム / 減量エビデンス

マンジャロ/ゼップバウンド(ゼップバウンド/マンジャロ)の減量効果
SURMOUNT試験群で示された結果を医師が解説

マンジャロ/ゼップバウンドの減量効果は、世界的に実施された大規模な臨床試験群「SURMOUNT(サーマウント)」で評価されています。この記事では、SURMOUNT-1〜5および2024年以降の追加エビデンスをまとめ、実際にオンライン診療でマンジャロ/ゼップバウンドを処方している医師の立場から解説します。

SURMOUNT-1:糖尿病ではない肥満の方への効果

参加者:糖尿病ではない肥満・太りすぎの成人 2,539人

試験内容:マンジャロ/ゼップバウンドを3用量(5mg・10mg・15mg)で試し、偽薬(プラセボ)と比べて72週間(約1年4ヶ月)でどれくらい体重が減るかを評価

主な結果

3.1%偽薬
15.0%5mg
19.5%10mg
20.9%15mg

体重が20%以上減少した参加者の割合は次のとおりでした:

  • 10mg:参加者の約50%
  • 15mg:参加者の約57%
  • 偽薬:わずか約3%
読み解きのポイント

例えば100kgの方の場合、臨床試験の平均値では約20kg前後の減量に相当します(あくまで参加者全体の平均で、実際の効果には個人差があります)。肥満外科手術(胃を小さくする手術など)が1〜2年で25〜30%の減量効果を示すことが知られていますが、注射薬でこの水準に近い減量が得られるようになった点が、これまでにない特徴として注目されています。

SURMOUNT-2:糖尿病がある肥満の方への効果

参加者:2型糖尿病を有する肥満・太りすぎの成人 938人

試験内容:糖尿病があると一般に体重が減りにくい傾向がありますが、そうした方でもマンジャロ/ゼップバウンドの減量効果が得られるかを評価

主な結果

  • 糖尿病を有する方でも、平均12.8〜14.7%の減量が得られました
  • 血糖コントロールも大きく改善し、約半数の方で血糖値が正常域に近づきました
読み解きのポイント

一般に糖尿病がある方は体重が減りにくい傾向があるとされますが、それでも平均で10%以上(100kgの方なら10kg以上に相当)の減量が得られた点は、これまでの治療と比べて大きな成果と評価されています。

SURMOUNT-3:生活習慣改善と組み合わせた効果

参加者:12週間の食事・運動指導で5%以上の減量に成功した成人 579人

試験内容:生活習慣の改善で一度減量した後、さらにマンジャロ/ゼップバウンドを加えるとどれくらい追加の減量が得られるかを評価

主な結果

  • 生活習慣改善で減量した後、マンジャロ/ゼップバウンドを使用した方はさらに平均18.4%の追加減量
  • 偽薬群は逆に平均2.5%体重が増加
  • 全体で20%以上の減量に達した方は44.7%
読み解きのポイント

一般に、一度減量してもリバウンドしやすいことが知られていますが、この試験ではマンジャロ/ゼップバウンドを加えることで、さらに減量が進み、かつ体重を維持しやすいことが示されました。

SURMOUNT-4:薬をやめるとどうなるか

参加者:マンジャロ/ゼップバウンドで平均20.9%の減量に成功した成人 670人

試験内容:減量達成後、薬を継続する群と、偽薬に切り替える群に分けて、その後の体重推移を比較

主な結果

  • 薬を継続した群:88週後も平均25.3%の減量を維持
  • 薬を中止した群:88週後は減量幅が平均9.9%まで戻った
読み解きのポイント

この結果から、肥満治療は高血圧や糖尿病と同じように、継続的な治療が必要な疾患であることが再確認されました。

SURMOUNT-5:ウゴービ/オゼンピック(ウゴービ/オゼンピック)との比較

参加者:糖尿病ではない肥満・太りすぎの成人 751人

試験内容:マンジャロ/ゼップバウンドと、これまで大きな減量効果が示されていたウゴービ/オゼンピックを直接比較

主な結果

20.2%マンジャロ/ゼップバウンド
13.7%ウゴービ/オゼンピック

25%以上の減量に達した参加者の割合:

  • マンジャロ/ゼップバウンド:約34%
  • ウゴービ/オゼンピック:約9%
読み解きのポイント

これまで大きな減量効果が示されていたウゴービ/オゼンピックと比べても、マンジャロ/ゼップバウンドの方が減量効果が大きい傾向がみられました。

副作用について

よくある副作用

  • 吐き気
  • 下痢
  • 便秘

これらの症状の多くは、使い始めや増量直後に出現し、数日〜2週間程度で慣れる方が大半です。SURMOUNT試験群では、副作用が理由で治療を中止した方は3〜7%程度と報告されています。

受診が必要な症状

強い腹痛が持続する、繰り返し嘔吐する、視力に変化があるなどの症状が出た場合は、使用を中止して速やかに医療機関を受診してください。

2024年以降の追加エビデンスと適応拡大

SURMOUNT-1〜5に続き、以下のような新しい研究成果と適応が明らかになっています。

  • 睡眠時無呼吸症候群(SURMOUNT-OSA):肥満を伴う中等度〜重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の成人で、無呼吸低呼吸指数(AHI)を約50〜60%改善したと報告されました。米国FDAは2024年12月、この目的でのマンジャロ/ゼップバウンドの使用を承認しました(日本では未承認)。
  • 子どもの肥満:10〜17歳の重度肥満の小児を対象とした試験(SURMOUNT-5小児拡張)が進行中です。
  • 心血管イベントへの影響:大規模心血管アウトカム試験(SURPASS-CVOT)が進行中で、結果は2027年頃に判明する見込みです。
  • 実診療でのデータ蓄積:米国・欧州での実診療データでも、臨床試験と近い減量効果が確認されつつあります。
日本での適応

日本国内での承認適応は「2型糖尿病」(マンジャロ)と「肥満症」(ゼップバウンド)です。睡眠時無呼吸症候群への使用は、日本では自由診療での適応外使用となります。

SURMOUNT研究から読み取れること

1. 肥満治療の選択肢の広がり

20%以上の減量を目指せるケースが増え、これまでは肥満外科手術以外に選択肢が限られていた高度肥満の方にも、内科的治療の選択肢が広がりました。

2. 肥満は慢性疾患

SURMOUNT-4試験で、薬を中止すると体重が戻る傾向が示され、肥満は高血圧・糖尿病と同じく継続的な治療が必要な疾患であることが再確認されました。

3. 生活習慣との組み合わせ

SURMOUNT-3試験では、生活習慣改善で減量した後にマンジャロ/ゼップバウンドを加えると、さらなる減量が得られました。薬単独ではなく、食事・運動と組み合わせることが基本です。

よくある質問(研究エビデンスに関する疑問)

薬剤の費用・処方・使い方などの一般的な質問は、マンジャロのLPページのFAQをご覧ください。ここでは、SURMOUNT研究のエビデンスに関するより深い疑問にお答えします。

Q. どの用量から始めればよいですか?
通常は2.5mgから開始し、副作用の様子を見ながら4週ごとに5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgと段階的に増やしていきます。SURMOUNT-1試験では10mg・15mgで大きな減量効果が示されていますが、必ずしも最大量まで増やす必要はなく、目標や副作用に応じて医師と相談しながら量を調整します。
Q. 治療はどれくらいの期間続けるべきですか?
SURMOUNT-4試験では、目標体重に達した後に薬をやめると平均で体重が戻る傾向が示されました。肥満は高血圧や糖尿病と同じ慢性の病気とされ、目標体重に達した後も、量を減らしながら継続するのが基本的な考え方です。中止・減量のタイミングは、体重の推移や生活習慣の定着度をもとに医師と相談しながら決めていきます。
Q. 糖尿病ではないのですが、血糖値が下がりすぎませんか?
糖尿病がない方が単独で使用する場合、低血糖が起こることは通常ほとんどありません。血糖値に応じてインスリン分泌を促す仕組みのため、血糖値が正常な方では過度に下がりにくい特徴があります。ただし、極端な食事制限を併用した場合や、他の血糖降下作用のある薬・サプリメントと併用した場合は低血糖が起こる可能性があるため、極端な糖質制限は避け、規則的な食事を心がけてください。
Q. SURMOUNT-1で示された20.9%の減量は、日本人でも同じ効果が期待できますか?
SURMOUNT-1試験の参加者は主に欧米人でしたが、日本人を対象とした臨床試験(SURMOUNT-J)でも、15mg使用時に平均約23%の減量が報告されています。日本人でも欧米人と同水準、あるいはそれ以上の減量効果が得られる可能性が示されており、人種差による効果の大きな違いは現時点では確認されていません。
Q. 5mg・10mg・15mgのうち、どの用量が最も適していますか?
SURMOUNT-1試験では、用量が大きいほど平均減量幅が大きくなる傾向が示されました(5mg=15.0%、10mg=19.5%、15mg=20.9%)。ただし、用量が大きいほど吐き気などの消化器症状も出やすくなるため、必ずしも「最大量が最適」というわけではありません。目標体重・副作用の出方・治療期間の予算などを踏まえ、医師と相談しながら最適な用量を決めることが重要です。
Q. SURMOUNT-4で中止後にリバウンド傾向が示されましたが、それでも中止できる方はいますか?
SURMOUNT-4試験では、平均としては体重が戻る傾向が示されましたが、これはあくまで平均値であり、個人差があります。実診療では、治療期間中に食事・運動習慣が十分に定着した方や、目標体重を大幅に下回るまで減量した方では、中止後も比較的体重を維持しやすいと考えられています。中止を検討する際は、いきなり止めるのではなく、量を減らしながら生活習慣を整えるアプローチが推奨されます。
Q. SURMOUNT-5でセマグルチドよりも減量効果が大きかったですが、副作用の頻度は変わらないのですか?
SURMOUNT-5試験では、消化器症状(吐き気・下痢・便秘)の頻度は両群でほぼ同等でした。副作用による治療中止率も両群で5〜7%程度と大きな差はありませんでした。減量効果の差は、有効成分の作用機序の違い(マンジャロ/ゼップバウンドはGIPとGLP-1の両方に作用、ウゴービ/オゼンピックはGLP-1のみに作用)によるものと考えられています。

まとめ

マンジャロ/ゼップバウンドは、SURMOUNT試験群で大きな減量効果が示された治療選択肢の1つです。効果には個人差があり、また効果を維持するためには継続的な治療が必要とされています。実際の治療にあたっては、医師と十分に相談しながら進めていくことが大切です。

当院ではオンライン診療でマンジャロ/ゼップバウンドを自由診療として処方しています。診察料・全国配送料は無料です。

治療をご検討の方へ

薬剤の詳細・料金・処方の流れは以下のページをご覧ください。

参考文献

  • Jastreboff AM, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity (SURMOUNT-1). N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.
  • Garvey WT, et al. Tirzepatide once weekly for the treatment of obesity in people with type 2 diabetes (SURMOUNT-2). Lancet. 2023;402(10402):613-626.
  • Wadden TA, et al. Tirzepatide after intensive lifestyle intervention in adults with overweight or obesity (SURMOUNT-3). Nat Med. 2023;29(11):2909-2918.
  • Aronne LJ, et al. Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024;331(1):38-48.
  • Aronne LJ, et al. Tirzepatide as Compared with Semaglutide for the Treatment of Obesity (SURMOUNT-5). N Engl J Med. 2025;392:1207-1218.
  • Malhotra A, et al. Tirzepatide for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Obesity (SURMOUNT-OSA). N Engl J Med. 2024;391(13):1193-1205.
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